AIデータスタートアップWisdomAIが2300万ドルを獲得し、幻覚を回避するスマートな方法を提供

2023年にRubrikの共同創業者ソハム・マズムダールが離職した後、新たに設立したデータスタートアップWisdomAIは、ビジネスインサイトを提供するAIデータ分析を行っています。この企業は、構造化データ、非構造化データ、さらにはタイポやエラーが含まれる「汚れたデータ」を扱うことができる点で注目を浴びています。

WisdomAIの特徴

WisdomAIは、データがどこにあっても、どのように使用されているかにフォーカスしており、これは企業のビジネスインテリジェンスソフトウェアにとって究極の目標と言えます。そのため、Coatueが2300万ドルの巨額なシードラウンドを主導しました。そのほかにも、Madrona、GTM Capital、The Anthology Fundなどが参加しています。

ユーザーによる簡易なデータ操作

企業のマネージャーはデータ分析チームにレポートを依頼するのではなく、WisdomAIに直接質問し、詳細を掘り下げることができます。例えば、収益責任者（CRO）が「四半期の締めをどのように達成するか？」と尋ねると、WisdomAIはそのチームが注力すべき未決定の取引のリストを提供し、各取引を遅延させている要因（顧客が待っている質問など）に関する情報も示します。

マズムダールはTechCrunchに対して、「私たちのプラットフォームを使えば、CROはわずか五つのキー操作でこれらの詳細まで視覚化できます。従来のプロセスでは、五人のアナリストを含むチームと多くの時間が必要です」と述べています。

さまざまな industries での採用事例

WisdomAIの初期顧客には、数千人のフィールドワーカーを抱える石油・ガス会社がいます。この企業は、WisdomAIを用いて生産に関する質問を行い、保管された文書からテレメトリデータまで、様々なデータにアクセスしています。

当然のことながら、既存のビジネス分析ツールやスタートアップもAIによる自然言語プロンプトを提供していますが、WisdomAIの独自性は、創業者たちの資質にあります。全員がRubrikでマズムダールと一緒に働いていたのです。しかし、プラットフォームの最大の強みは、ゴチャゴチャしたデータに対する精度です。マズムダールによれば、WisdomAIはデータベースなどの構造化データだけでなく、ファイルに保存された非構造化データからも回答を見つけることができます。

幻覚のないAI分析

さらに重要なのは、WisdomAIは幻覚を提供しないことです。多くの企業は、AIアプリの精度を追求しており、これはモデルのトレーニングに使用されるデータやモデルのサイズ、プロンプトエンジニアリング、リアルタイム検索技術（例：RAG）に注目していますが、虚偽の回答のリスクは依然として残っています。

WisdomAIは、回答の作成ではなくクエリ形成にGenAIを使用します。マズムダールは、「最終的にGenAIは幻覚を生じさせる可能性があります。私たちがGenAIを使うのは、異なるシステムにクエリをする小さなプログラムを作成するためです」と説明しています。

そのため、WisdomAIのモデルが幻覚を起こしても、すべてが虚偽のクエリを生成してデータを取得できないだけであり、回答そのものは作り上げられることはありません。WisdomAIは、ConocoPhillips、Cisco、Descopeを初期顧客として持ち、Snowflake、GoogleのBigQuery、AmazonのRedshift、Databricks、Postgresなどの主要なクラウドデータストレージサービスを使用する顧客も抱えています。マズムダールによれば、クエリログやその他のソースを分析することで、あらゆるデータストレージシステムでトレーニングが可能です。

まとめ

WisdomAIは、ビジネスデータに新しい洞察をもたらし、効率的な意思決定をサポートするための革新的なツールを提供しています。AIの進化により、企業はより迅速かつ正確なデータ分析を行えるようになり、その結果、競争力を高めることが期待されます。WisdomAIがもたらす変化は、今後のビジネスシーンにおいて大きな影響を与えることでしょう。